第49話 神様の演出
いつもの私設英語学校「WAFI MALL」のなじみのブティックのビンのところへ行った。
すると以前紹介され友達になったフィリピン人の隣のブティックのジョアンナが来て私に言った。
彼女は日本での生活経験もあり日本語も上手だった。
「明日夫が仕事を探すためドバイに来るから、パーティーしてくれませんか」と。要するに我が家で食事会をしてほしいということだった。
たまたま夫は出張で留守だったが私はふたつ返事でOKした。
食事の準備をした。
アジア系スーパー1004で牛肉、野菜は安く買えるユニオンコープでピーマンをたくさん買った。
ピーマンやパプリカ、なすびは子どもの頭ほどの大きさで豊富にあった。
青椒肉絲(チンジャオロース)風にすると、ビンたちはとても喜んでくれた。だからその日もたくさん作った。
魚料理は白身魚ときゅうりを中華風に。
日本食が好きだった。天ぷらも喜ばれた。
食材は豊富なうえ安価で食費はかからない。
果物も世界中から1年中豊富にあった。アメリカンチェリーやマンゴー。
私は日本で見たことのないペッタンコの桃の時季が大好きだった。
そんな感じでお招きは負担に感じることはなく私も楽しめた。
「たくさん食べて」と勧めると、お腹を触りながら「Full、Full」と。
そんな彼女たちの笑顔が私にはごちそうだった。
それは私を癒すドバイでのサプリメントだったにちがいない。
その日はジョアンナとドバイに着いたばかりの彼女のご主人、ビン、ビンの妹さんと4名だった。
食事が済んでご主人が「明日日系の旅行社の面接を受ける」と言った。
彼も日本での就職経験また、フィリピンでは日系のレンタカー会社で勤務した経験があり、日本語もカタコトではあったができた。
私は面接用に手帳をプレゼント彼の採用を祈った。
試験の結果、彼は合格した。
しかし、ビザの関係から就職までの生活費等経済的に厳しく、その採用を辞退、結果WAFIMALLで警備員になった。
ビンのお陰で出会ったジョアンナのご主人との出会いは神様の演出だったにちがいないと後で気づいた。
・・・ラスト50話に続く。
*58歳の英語の話せないオバサンの3年間(2011年3月~2014年3月)のドバイ生活の記録です。
*国際コミュニケーション キーワードは ・度胸 ・好奇心 ・サービス精神