第4話 私流外交術

 
初めての買い物で敷地内にあるスーパーマーケット カルフール(フランス系)へ行きました。

 

野菜コーナーでピーマンを買う際、秤にのせます。

売り場の若い男性に聞かれました。「あなたは中国人?」私が日本人と答えると

彼は親指を立て「Japan good👍」と笑顔の対応。

そこで私は彼に聞きました。「あなたはどこの出身?」彼は「ミャンマー」と。

私は「ミャンマーいいですね。アウンサンスーチーさんの国ですね」とミャンマーに触れました。

 すると彼は満面の笑みで次々とお国自慢をしました。・・・英語で。

秤の上のピーマンも笑顔の振動で揺れ動いていました。

 

このご縁で彼とはいいお付き合いが帰国まで続きました。

夏のスイカの時季には、スイカは見た目同じで食べてみないことには甘いのかわからないもの。その場で切って味見をさせてくれました。

 もちろんチップの不要なドバイですが、私もそれなりに渡しました。

帰国の際には引っ越しの手伝いまで申し出てくれ、いちばんうれしい言葉は「国のお母さんみたいだ」といわれたことが今でも忘れられません。

 

人種の坩堝ドバイは人口の8割が外国人。周辺諸国インド、パキスタン、ネパール、バングラディッシュ等から出稼ぎで来ます。

私は外国人に「日本人?」と聞かれたら必ず相手の出身地を聞く私流外交で3年間

過ごしてきました。それが居心地のいい初めての海外生活のスタートになったのではないかと思っています。

 

 結果として他の日本人に比べ、日本人より外国人とのお付き合いを楽しんでいました。

 家にはお隣のリンさんはじめフィリピン人、エジプト人からフランス人までと

他国籍の日本語の話せないお客様が来て賑わっていました。

 

 

 

 

*58歳の英語の話せないオバサンの3年間(2011年3月~2014年3月)のドバイ生活の記録です。 

*国際コミュニケーション キーワードは ・度胸 ・好奇心 ・サービス精神