第33話 傘地蔵はモロッコ人・・

クリスマス、新年とこの季節ドバイはいつも以上に華やかだった。

レジデンス近くのWAFI MALLにはおとぎの国のクリスマスを思わせる

広場が設置され、大人の自分も見ているだけでワクワクしたのを思い出す。

 

 同時にクリスマスは異文化、異教を受け入れるドバイの優しさが感じられ

この時期は特に平和の空気を感じた。

 

 さて、クリスマスと言えばプレゼントだが、私には忘れられないプレゼントが

いくつかある。

 

 その中のひとつで、それはレジデンスの玄関前の長い廊下の絨毯の張替えの

リフォームが行われた時のこと。

 入り口のガラスの扉が閉じられ数分通った時でもシンナーの臭いが鼻をつく。

 

私は工事の人に自宅玄関前の台の上に水とおやつを置いた。

すると、工事が完了した日、玄関前には手作りの足ふきマットが5枚ほど

置かれていた。

マットは廊下の絨毯と同じ柄で長方形にカットされ、仕上がりがとてもオシャレ

だった。彼らはモロッコの出身だった。

 

言葉は通じなくても気持ちが通じたのだろう。

最高のプレゼントだった。

ドバイで日本のお伽話「傘地蔵」を思い出した。

 

 

*58歳の英語の話せないオバサンの3年間(2011年3月~2014年

3月)のドバイ生活の記録です。  

*国際コミュニケーション キーワードは ・度胸 ・好奇心 ・サービス精神