第23話 以心伝心

第22話に続きお隣のマダムリンとの話です。

友人のお見舞いに用意した赤いバラの花束が不要となり、そのまま持ち帰ることになった日のこと。

 

 我が家には同じレジデンスの方からいただいた胡蝶蘭があった。

生花の胡蝶蘭を生けることは我が家ではとても贅沢だった。

 

 ということで、赤いバラの花束はしばらくお会いしていないお隣のマダムリンへプレゼントすることにした。

それを夫に話すと、「ひとりで大丈夫か?何て説明するんだ」と言われた。

不要になったので代わりにもらってください・・とでも言うと思ったのだろうか

(英語のできない私を心配してのことだと思うが、日本ではありえない夫婦の会話だった。)

私は大丈夫!!と一人でリンの家を訪ねた。

 

ピンポーン・・ドキドキ・・。

すると中からご主人が出ていらして「はあ~い、ちょっと待って」と

「リン、リン、」と呼んだかと思うとドアを足で押さえて開けたまま、サイドテーブルに手を伸ばし黄色のバラの花束を取り出した。

 

 奥から出てきたリンが言った。

花屋に行ったので私にプレゼントだという。

それもしばらく会ってないからと。

 

結局私の赤いバラの花束とリンの黄色のバラの花束のプレゼント交換になった。

以心伝心・・・英語で何ていうのだろうか。英語で表現できるとカッコいい

でしょうけど、私はびっくりしてアリガトウをいうだけだった(@_@;)

 

黄色のバラは「ドバイでのリンとの以心伝心」の思い出の花です。

 

 

*58歳の英語の話せないオバサンの3年間(2011年3月~2014年

3月)のドバイ生活の記録です。  

*国際コミュニケーション キーワードは ・度胸 ・好奇心 ・サービス精神