第18話 まな板の上の鯉ならぬ豚のゆくえ
ドバイ到着8か月後のことだった。風呂場で転んで病院へ行った。
有難いことに今回もいつもお世話になっている通訳の友人が初診と2回まで付き添ってくれた。リハビリからはひとりだった。
病院はレジデンス近くのAmerican Hospital 。
院内の売店には大きな鮮やかな風船🎈🎈🎈が・・・なにコレ珍百景?病院?
見舞客だろうか?これまた大きなバスケットに大盛りのお菓子に大きなケーキを持っている。
やっぱりどこか違っている感じ。痛みも忘れてしばし観光気分。
さて、いよいよリハビリ室へ。看護師は女性でロシア人。
いろいろ説明を受けた後ベッドに上がるようにいわれた。
そこまでは私も英語を理解できた。
問題は次からだった。
看護師は「あお向けになって」「横向いて」・・いろいろ言ってきた。
よくわからない私は、厳しい顔つきの彼女の顔色を窺いながら
「こんなですか?」・・「あっ違った😅」と、もうまな板の上の豚!
状態。
さすがに彼女に言われた。
「次からは通訳を連れて来るように。」😞!!
心配してくれる友人、夫だったが私はこの後も一人で通院した。
そんな私に彼女はまた、ひとりで来たの?!!という顔をした。
が、いつの間にか怖かった看護師の彼女も私をファーストネームで呼んでいた。
それによく笑っていた。(私のことが笑って許せるようになった感じ)
最後、手が伸びるようになって、首がグルグル回るようになった時、ハイタッチをしてくれた。ヤッター!(^^)!
言葉の壁を超えお互いの達成感を共有したのだろうか?
厳しい彼女の顔は世界共通の天使のような笑顔の看護師に変わっていた。
身も心も軽くなった私は、帰り道風船を手にして歩いてみたい気持ちだった。🎈🎈・🎈
激痛も一生忘れることのできない思い出に変わった。
*58歳の英語の話せないオバサンの3年間(2011年3月~2014年
3月)のドバイ生活の記録です。
*国際コミュニケーション キーワードは ・度胸 ・好奇心 ・サービス精神